株式会社タフス

意外と知ることができないこと。

 昔、”TIME”誌でこんな面白い記事を見つけたことがあります。

‘A Snapshot of Teen Sex’

 これは、アメリカのある高校にて、生徒同士の性行為が18ヶ月の間にどのくらい行われたか、という調査・研究についての記事で、真面目で興味深いものです。

 調査はNational Longitudinal Study of Adolescent Health というところが行っており、その目的は、10代の若者の間で性感染症がどのように広がっていくのかを調べることだそうです。
 調査方法は、生徒自身の18ヶ月間の性行為について、自宅にてコンピュータのアンケートに答えてもらうという方法だそうです。よって、信頼性は高いそうです。

 私がまず面白く感じたのは、この性感染症がどうのこうのという事よりも、性ネットワークの規模の大きさです。
 その記事には、そのネットワークを示した図が掲載されていました。青い点が男子、赤い点が女子で、性行為を持った点同士が線で結ばれているという感じです。

 それを見ると、なんとアンケート対象である832人中288人が、一つの大きな性的ネットワークの線で結ばれていました。まるで、複雑なアミノ酸の化学構成図のようです。その中には、一つの青い点と複数の赤い点が結びついている部分や、それとは反転色の部分もあります。

 他には、小規模なネットワークがいつくか形成されています。また、互いに一人ずつしか関係を持っていない、つまり青と赤の点それぞれが一つずつで形成されている最小のネットワークは、63組とありました。
 全対象832人のうち、少なくとも一人以上との関係を持っている人数は、573人とあります。初体験の平均年齢は、15.5歳らしいです。
 他にも、様々な分析結果について述べられており、なかなか知ることができないデータなので、大変興味をひきつけられました。

 これを見て、性ネットワークの規模にばかり目がいってしまったのですが、大事なのは、その規模の分だけ性感染症の危険性も高まるということです。

 あとこれを読んでいて、このような統計調査などの面白さも感じました。仲のよい人には聞いてみればわかることでも、何百人に対してこのような質問はふつうはできませんから。
 もし日本でもこのような調査をした結果があれば、是非見比べてみたいものです。

<参考>
Wallis, Claudia ‘A Snapshot of Teen Sex’ “TIME” Feb 14 2005