株式会社タフス

ヒエラルキー

引っ越しをしまして、庭の草むしりという新たなお仕事に出会うこととなりました。

長らく”土いじり”というものから離れて生活していましたが、
やってみると結構自分はこういう仕事は嫌いじゃないんだなと思ってます。
普段はITのお仕事なので気分転換というのもあるかもしれません。

さて、この草むしり。
雑草を抜いていくことで庭が綺麗になっていく事に、
達成感や満足感を得ていくことになるのですが
抜いてしばらく大人しくしているものもいれば、
抜いても抜いても無尽蔵に生えてくる困ったチャンもいます。

特に”ドクダミ”。
素晴らしい生命力です。抜いたそばから再生します。
綺麗な花が咲きますが、軍手を貫通する独特のニオイにはご遠慮願いたい。

さらに困ったチャンが”クズ”。
漢字で書くと違う字ですが、名は体を何ちゃら…
というくらいに困らせてくれます。
ニオイは無いのですが、グングン伸びつつ柵にからまり越境し
勝手にお隣さんにコンニチワしてくれる、自己主張の激しい子です。
そしてどんなに抜かれてもへこたれない、見習いたいくらいの生命力。
根っこの方はモヤシみたいなのに。モヤシっ子ではありません。

かくして、この2台巨頭との闘いが、ほぼ毎週末行われていました。
基本的には家主側の勝利です。
植物側も「新参者に負けるな!」と翌週には復活しているので、かりそめの勝利ですが。

この均衡した状況も酷暑と台風で、ついに休戦協定。
と言っても、そんなの家主側の都合なので
植物サイドはここぞとばかりに成長してるもんだと思ってました。
手を抜くこととは、おおよそ無縁の方々です。

しかし、ここにきて第三勢力の参戦で異変が。
台風一過、闘いが再開しましたが
“クズ”が無い。どこにもない。

何ということでしょう。
後に残ったのは茎だけのような植物が並んだ光景。

セスジスズメの幼虫が食べつくしてしまったのです。
食べ残しのない、匠の技です(菜園なら完全に食害)

「こんな草は庭で見たことないな」と思ったのですが、
クズの成れの果てでございました。恐怖です。

こうして、闘いの一角は崩れたのですが
正直、セスジスズメが飛びまわってる方が10倍嫌です。
ヒエラルキー上位が望まれない形での登場です。

何故アゲハとかクワガタではなかったのか。
あなた方はどこから来て、どこへ行くのか。

物事は簡単にはいきません。
こつこつ草むしりを続けて来年はクズも減り、
食料もないのでセスジスズメも新たな天地を求めて旅立つ、
という状況になって頂きたいと思っています。

食物連鎖を体験する夏。