株式会社タフス

本を読むのが比較的好きです。

タイトルの割には、去年を振り返ると本当にバタバタしていて、本なんてあんまり読んだ記憶がないのですが、去年読んだ本は?といわれると、この3冊が思い浮かびます。

■スコット・フィッツジェラルド「グレート・ギャツビー」
最近の村上春樹は、サリンジャーの「ライ麦」やチャンドラーの「長いお別れ」のような、いわゆる「名作」を再訳していて、次はカポーティの「ティファニーで朝食を」が再訳されるそうです。
この「グレート・ギャツビー」もそんな名作再訳シリーズの流れのひとつです。「ライ麦」や「長いお別れ」は、わざわざ新訳で読み直す気があまりしなかったのですが、「ギャツビー」だけは読みたくなりました。期待通りの瑞々しいというか、さわやかな文体に気を配った訳で、読んでいてとても気持ちの良い本でした。

■カート・ヴォネガット「プレイヤー・ピアノ」
僕は人生に行き詰ると、ヴォネガットを読みたくなります。去年も読んだので、きっと行き詰っていたんだと思います。
プレイヤー・ピアノは彼が書いた最初の長編で、一般的に知られているヴォネガットの本とはちょっと違います。彼の小説にいつも登場する人間くさい狂人は出てこないし、短い文章の重なりで構成されたストーリーではないし、架空の宗教も出てきません。でも、ヴォネガットが終始テーマにしている「屈折した人間愛」みたいな物は充分に感じる事ができます。最初の作品だけあって、彼の作品にしては少し青臭くて、その辺もキュンと来ます。

■ジュリアン・バーンズ「イングランド・イングランド」
で、そのヴォネガットの現代版といえるのが、ジュリアン・バーンズだと思います。この本も、多くのヴォネガットの本と同様に「笑えて、ちょっとだけ哲学的で、結局泣ける」本なのですが、ヴォネガットとバーンズの違いは、ヴォネガットがどんなに人間嫌いなフリをしても、結局、人が大好きなのが見えてしまうのに対して、バーンズは徹底的に孤独なところだと思います。孤独が装丁されて200頁余の紙にぎっしり詰まってます。
月並みな表現ですが、ヴォネガットはやっぱりアメリカ人で、バーンズは究極的にイギリス人なのかなぁと思います。でも全然暗い本じゃなくて、むしろ相当面白くて、その辺がバーンズの好きなところです。